2006年にここ練馬春日町に開院して以来、顎関節症の患者様が非常に多く感じます。
そこで顎関節および顎関節症について詳しく書いて行きたいと思います。
その前に顎関節の大まかな作りを説明します。
顎関節は、下顎骨と側頭骨の接合部で、下顎骨は筋肉と靭帯により頭蓋骨にぶら下がった状態にあります。
下顎骨の突起部である下顎頭が側頭骨のくぼみである下顎窩(かがくか)にはまり込んで、関節構造を作っています。
この領域を顎関節と呼びます。
下顎頭は前後の幅が約1cm、左右の幅が約2cmのに正面から見ると横に握りこぶしを置いた様な形をしており、表面は線維軟骨で覆われています。
その下顎頭がはまり込む下顎窩は、前方は隆起して関節結節となり下顎頭同様、線維軟骨で下顎頭同様覆われています。
二つの骨の間には緻密な線維性軟骨からなる関節円板が存在し、これにより上下二つの関節腔に分けられます。
関節腔は滑膜から分泌される滑液により満たされています。
関節円板は関節運動を滑らかにするとともに、咀嚼時などに顎関節部にかかる力を緩衝する重要な役割を果たしています。
下顎頭の前方には外側翼突筋が付着しており、この筋が収縮すると下顎頭と関節円板が関節結節の方向に向かって移動し開口する仕組みになっています。
閉口すると下顎頭と関節円板は再び下顎窩に戻ります。
関節円板の後方は血管や神経の豊富な円板後組織に移行し、滑らかな下顎運動を補助しています。
関節包の外側前半部は、強固な外側靭帯により覆われて、下顎頭と関節円板の動きを規制しています。