日本では睡眠時無呼吸症候群の患者様が約200万人いるとされていますが、見過ごされているケースが多いようです。
また、日本人は欧米人に比べて原因の一つとされる肥満は少ないが、発症しやすい頭や首の形態をしているので注意が必要です。
無呼吸になる原因の多くが、舌根が気道に落ち込んだり、扁桃腺肥大で気道が閉塞する「閉塞型」です。
呼吸中枢機能の低下で起こる「中枢型」は少ないとされています。
閉塞型の治療法は、気道の閉塞を防ぐ「鼻CAP(シーパップ)」という装置の利用が基本です。
睡眠時に鼻マスクを装着して、器械で加圧した空気を送り込むという装置です。
しかし軽症の人はマウスピースの一種である「口腔内装置(スリープスプリント)」の使用で閉塞を防ぐ事が可能です。
寝る時に「口腔内装置」を歯に被せ、下あごを前に突き出す事で、舌根が気道に沈み込む事を防ぐという治療法です。
内科と歯科が連携して睡眠時無呼吸症候群の治療に当たっている鶴見大学歯学部の子島(ねじま)潤 内科教授は、「いびき外来」で多くの患者様を診察してこられました。
「比較的軽症な患者様や、中等症でも鼻CAPがどうしても合わないという患者様は歯科に紹介し、専門の歯科医師によって特別なマウスピースを作ってもらいます。これで無呼吸の状態はかなり改善されます。」(子島潤教授)