2011年3月5日土曜日

音波ブラシの有用性のエビデンス|<練馬 歯科>

マイスター春日歯科クリニックの遠山です。



当院では通院されている患者様によく音波ブラシの併用をおススメしております。



今回はその音波ブラシが何故優れているのかというエビデンスとなる、論文の一つをご紹介させて頂きたいと思います。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□



『Sonic and mechanical toothbrushes
An in vitro study showing altered microbial surface structures but lack of effect on viability』
(音波と機械的歯磨き― 実験室内の研究において細菌の生存能力を奪う、細菌表面の構造の変化が見られる。)


MacNeill S, Walters DM, Dey A, Glaros AG, Cobb CM.
J Clin Periodontol. 1998 Dec;25(12):988-93.


概要の日本語訳(※院長の遠山の訳しのため少し伝わりづらい所があるかもしれませんがご了承下さい。)

『今回の実験の目的は口腔内細菌であるActinomyces viscosusの生存能力に対して、電動ブラシと音波ブラシの効果を見る事です。
mechanical action(機械的な動き)やsonic energy(音波の力)が微生物の連続的なコロニーの形成を阻害するのではないか。

実験は大きく3つのグループに分類し、それぞれ20ずつの試験片が用いられて、Actinomyces viscosusの数を計測した。
3つのグループはA.mに対して
①何もしないコントロール群
②電動ブラシをあてる群
③音波ブラシをあてる群
に分けられ、電動ブラシと音波ブラシをあてる群は15、30、45、60秒とあてる時間によっても分類した。

続いて所定の処理を行い、それぞれの試料からサンプルを採取、培養してCFU's(colony-forming units、コロニーの形成単位)を測定した。
測定は単染色法を用いて電子顕微鏡にて観察された。

それぞれの処理群の差はANOVA(analysis of variance、分散分析~その群の中での測定値のばらつきをみる~)と、multiple pairwise comparison(多重比較~それぞれの群を比較する~)を用いて導き出された。

実験の結果から重大な作用がわかりました。しかしブラッシングとその時間の関係には大きな有意さは認められません。

Post-hoc tests(多重比較)において、音波ブラシ群と電動ブラシ群・コントロール群の間で細菌のコロニー形成の差に大きな有意さが出ました。

音波ブラシ群では細菌が凝集傾向に減少しているのと、線毛の喪失が認められました。

この細菌の形態学的な変化は細菌の細胞へのダメージを示していると思われ、音波ブラシ群ではそういったコロニーがコントロール群よりも増加していた。
そしてそ機械的または音波ブラシはどちらも細胞の生存能力に影響を与えている様に見えた。』

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

以上より音波ブラシは細菌の線毛を失わせる事により、生存能力に対して影響を与えている可能性が高く、予防効果が非常に高いと思われます。

またこれはそういった音波ブラシの効果に対する一つの論文であり、この他にも音波ブラシの効果を示す論文はありますので、また紹介していきたいと思います。
さらに詳しく検索出来ます☟
カスタム検索

マイスター春日歯科クリニックまでの道順動画

院長 遠山の英語でのプレゼンテーション

院長 遠山による咬み合わせの作り方