2011年6月17日金曜日

顎関節症(Temporomandibular disorders) 【練馬区 和光市 歯科】

顎関節症は現在、齲蝕(うしょく・虫歯)、歯周病に次ぐ第三の疾患といわれています。

しかし、最近まで顎関節症の診査・診断・治療のいずれもエビデンスに基づいたものが極めて少なく、ほとんど試行錯誤の感覚的な治療が行われて来たのが現実でした。
それは、顎関節内部の描出が困難であったために、顎関節症の診断基準は病態や病因ではなく、顎関節痛、咀嚼筋痛、関節雑音、開口制限、顎運動障害といった臨床症状に基づいていたからです。

顎関節に関する研究はGysiに代表されるように機械的咬合論から、1966年にRamfjord Ashが『Occlusion』に著したように生理学的咬合論が展開され始めました。そして1970年代後半に始まったMRIなどの画像診断技術の進歩により病態の把握が容易になり、顎関節症は症型の分類がされるようになりました。
Griffiths、Bell(1983)らによる症型分類のあと、わが国では日本顎関節学会によって顎関節疾患と顎関節症の分類案が提案され広く用いられております。

現在顎関節症は
①包括的疾患名である。
②精神的要因が強く関与している症例がある。
③咬合を原因として過大評価をすべきではない。
④症状の自然消失が期待できるself-limitimgな疾患であるため、まずは保存療法を優先させる。
などが我々歯科医師の中でも共通認識となって来ています。

2011年6月10日金曜日

関節円板と下顎運動の挙動 【練馬 豊島園 春日町 歯科】




顎関節運動の基本要素は回転(rotation)と移動(translation)です。
関節円板と下顎頭の間で回転が起こり、関節円板と関節結節の間では移動が起きます。

咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)(A)から下顎安静位付近(B)の間では下顎頭のほぼ純粋な回転運動によって開口し、さらに開口を続けると下顎頭は関節円板とともに関節結節の後方斜面を移動し(C)、最大開口位付近では下顎頭および関節円板は関節結節の最下点を越えて前方斜面まで移動します(D)。

このように回転と移動が起こる事により、切歯間で40mm以上の開口が可能になります。
またこの関節円板が前方に転移し下顎頭の移動量が制限されると開口制限が生じます。

2011年6月7日火曜日

顎関節矢状断面の模式図 -練馬区の歯医者さん-



a.関節円板後方肥厚部
b.関節円板中央狭窄部
c.関節円板前方肥厚部
d.関節軟骨
e.上関節腔
f.関節結節
g.外側翼突筋上筋
h.血管網
i.外側翼突筋下頭
j.下顎窩
k.血管網
l.下関節腔
m.関節軟骨
n.円板後組織
o.下顎頭

顎関節(Temporomandibular joint)(関節運動の特徴④) 【練馬区 板橋区 歯医者】

上下の歯列が接触するとそこで顎運動は止まります。
したがって上下の歯列のかみ合わせの状態が、顎関節に大きな影響を与える事になります。

通常、咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)と呼ばれる「ぐっと咬んだ状態」は、歯の欠損や歯周病などにより歯列に乱れが生じた場合や、補綴治療により容易に変化します。

その変化した咬頭嵌合位により誘導された下顎位が生体にとって好ましくない場合は、顎関節になんらかの障害が現れる可能性があります。

すなわち咬合を健全な状態に保つ事は、顎関節を保護する事でもあります。

顎関節(Temporomandibular joint)(関節運動の特徴③) 【練馬区 板橋区 歯医者】

下顎頭は開口する際に単なる回転運動だけでなく、下顎窩内面を前方へ滑走します。
また左右の下顎頭の前方への移動量を変化させる事で下額の側方運動が可能になります。

臼歯部の臼磨運動は、この下額の側方への運動を伴っており、効率のよい咀嚼を行ううえで回転と移動を伴った関節運動は極めて重要です。

顎関節(Temporomandibular joint)(関節運動の特徴②) 【練馬区 板橋区 歯医者】

顎関節内に関節円板が介在することにより、骨面同士の形態の不調和による下顎頭の回転と滑走運動が滞るのを緩衝し、下顎運動をスムーズにします。

また、顎関節は負荷関節であり、咀嚼力の一部は顎関節で負担されます。
しかし関節円板は弾性を有しているため、関節の負荷を緩衝する事が出来ます。

この関節円板が何らかの障害を受けて、前方へ転位し(もとの位置より前のほうにずれてしまう事)顎関節内症を引き起こします。

顎関節(Temporomandibular joint)(関節運動の特徴①) 【練馬区 板橋区 歯医者】

ヒトの下顎骨の運動に際し左右の下顎頭は独立して動くことはできません。
そのため左右の下顎頭は常に協調運動を営んでおり、この協調運動により下顎頭運動は細かくコントロールされ、下額の極めて細かい動きが可能となる。

その一方で協調運動を営んでいるがゆえに、片側の顎関節機能が障害されると反対側の顎関節にも障害が生ずるリスクがあります。

2011年6月4日土曜日

顎関節(Temporomandibular joint)(解剖学的特徴) 【練馬区 板橋区 歯医者】

2006年にここ練馬春日町に開院して以来、顎関節症の患者様が非常に多く感じます。
そこで顎関節および顎関節症について詳しく書いて行きたいと思います。

その前に顎関節の大まかな作りを説明します。



顎関節は、下顎骨と側頭骨の接合部で、下顎骨は筋肉と靭帯により頭蓋骨にぶら下がった状態にあります。
下顎骨の突起部である下顎頭が側頭骨のくぼみである下顎窩(かがくか)にはまり込んで、関節構造を作っています。
この領域を顎関節と呼びます。

下顎頭は前後の幅が約1cm、左右の幅が約2cmのに正面から見ると横に握りこぶしを置いた様な形をしており、表面は線維軟骨で覆われています。

その下顎頭がはまり込む下顎窩は、前方は隆起して関節結節となり下顎頭同様、線維軟骨で下顎頭同様覆われています。

二つの骨の間には緻密な線維性軟骨からなる関節円板が存在し、これにより上下二つの関節腔に分けられます。
関節腔は滑膜から分泌される滑液により満たされています。
関節円板は関節運動を滑らかにするとともに、咀嚼時などに顎関節部にかかる力を緩衝する重要な役割を果たしています。

下顎頭の前方には外側翼突筋が付着しており、この筋が収縮すると下顎頭と関節円板が関節結節の方向に向かって移動し開口する仕組みになっています。
閉口すると下顎頭と関節円板は再び下顎窩に戻ります。

関節円板の後方は血管や神経の豊富な円板後組織に移行し、滑らかな下顎運動を補助しています。
関節包の外側前半部は、強固な外側靭帯により覆われて、下顎頭と関節円板の動きを規制しています。

2011年6月3日金曜日

『ホーム・ペリオジェル&スプレー』 【歯医者 練馬 田柄 光が丘】



株式会社ビィ・ソニックさんから面白い新商品が出たのでご紹介致します。

『ホーム・ペリオジェル』『ホーム・ペリオスプレー』


□ヒノキチオールと柿タンニンを主成分とした6種類の天然エキス配合ジェル□

①ヒノキチオールの抗菌作用は歯周疾患の炎症や化膿に関与するアクチノマイセスや溶血性ストレプトコッカスなどの好気性菌や、症状が進み盲嚢が深くなるに従い歯肉の組織の破壊に大きく関与するとみられるバクテロイデスやフソバクテリウムなどの嫌気性菌の発育を阻止する。

②歯周炎、歯肉炎などに抗炎症作用、抗アレルギー作用の薬剤の役割を古来から珍重されている、天然成分エキスのオタネニンジンエキス・インチコウエキス・キダチアロエエキスの組成特徴で代用。

③天然エキスの柿タンニンを配合する事によって、抗菌作用、虫歯の原因菌や歯周病菌に対して増殖抑制効果、歯垢形成抑制効果、口臭のもととなる硫化化合物に対する消臭効果がある。


□配合されている6種類の天然成分□

①カキタンニン
②ヒノキチオール
③キダチアロエ葉エキス
④オタネニンジンエキス
⑤カワラヨモギエキス
⑥ヒバマタエキス


※この製品に対する論文等はメーカーから頂いておりませんので、詳細なデータは不明ですが、臨床的には多く使われてそれなりの効果を挙げられているようです。

MIペースト使用方法 【練馬区 板橋区 歯科】

MIペーストの使用方法としては、まず歯磨きを行い口内を清潔にした後、綿棒などで歯全体にペーストを塗布するだけです。
牛乳成分由来なので安心して使用できます。
10~30分くらいしたら軽く口をゆすいでもOKです。
もっと効率的に行うためには、歯型から作るマウスピースを使用してペーストを歯全体に行き渡らせる方法もあります。

歯磨きの後にミネラルパックを行う事で、通常よりも再石灰化が促進されます。
また、歯の隙間に残ったペーストの働きによって、口内が酸性になりにくい状況を維持できるため虫歯の予防効果も高まります。
さらに、知覚過敏を起こす歯の象牙質の微小な空隙にもカルシウムやリンが取り込まれるため症状が緩和される効果もあるでしょう。

これまでの虫歯予防は、歯磨きによって糖や虫歯菌を取り除き唾液による再石灰化を待つしかありませんでしたが、MIペーストを使用する事で積極的な予防が行える様になります。
虫歯になりにくい丈夫な歯を作るために、必要な成分を補給する事ができるのです。
この「ミネラルパック」は新しい歯の予防法とも言えるのではないでしょうか。

MIペーストで歯にミネラル補給 【練馬区 板橋区 歯科】

再石灰化を促す環境を整えるためには、必ず食後の歯磨きを行い口の中に酸を作る糖を残さない事です。
また、虫歯菌の塊であるプラークやそれが固まった歯石を徹底的に除去するため、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けなければなりません。

最近では、再石灰化を促すミネラル成分を歯に浸透させる「ミネラルパック」も注目されています。
これは牛乳由来の成分であるCPP-ACP(リカルデント)を配合した、「MIペースト」というものをパックするように歯に塗る方法です。

MIペーストには、唾液と比較するとはるかに高濃度のカルシウムとリンが含まれています。
これを使う事で脱灰によって失われた成分が効率よく歯に再吸収されます。
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院長 遠山の英語でのプレゼンテーション

院長 遠山による咬み合わせの作り方