2010年12月14日火曜日

スティップリング(Gingival Stippling):審美歯科治療後の健康な歯肉の指標




健康な歯肉にはしばしば 「スティップリング(Gingival Stippling)」と呼ばれるぶつぶつのクレーター状の凹みが見られる時があります。


歯肉には歯肉と歯や、歯肉と歯槽骨、歯と歯槽骨をつなぐ歯肉繊維(コラーゲン繊維)が存在します。

その中でも歯肉と歯槽骨をつなぐ繊維が上皮をひっぱりこのスティップリングが見られます。


ただし歯周炎などで歯肉に腫脹などがある場合は、このスティップリングが見られないためスティップリングは健康な歯肉であることの指標の一つと言えます。


※スティップリングが見られないからといって不健康な歯肉であるという事ではありません。


上の写真の様に審美セラミックなどの治療を行う際に、歯肉の中からセラミックの歯を立ち上げるのですが、このスティップリングが見られると歯周組織を侵襲していない事の一つのサインとして確認が出来ます。


参考文献


・カラーエッセンシャル 口腔組織・発生学;ジェームズ・K. エイヴリー、James K. Avery、高野 吉郎、 矢嶋 俊彦


Charles J. Goodacre ;Gingival esthetics:The Journal of Prosthetic DentistryVolume 64, Issue 1, July 1990, Pages 1-12


・若野洋一ら;集団検診の結果よりみた,歯肉の肉眼的所見とGingival Stipplingとの関係についての検索(Relationship between Clinical Finding of Gingiva and Gingival Stippling):日本歯槽膿漏学会会誌 8(1/2), 16-23, 1966-09-01

2010年12月4日土曜日

MIは治療方法ではなく考え方の一つ。 (ホワイトニング・審美歯科)










  • 2002年にFDI(国際歯科連盟)より虫歯治療の際に最小限の侵襲でおさえる、


  • MI(ミニマルインターベンション)が提唱されて以来(FDI policy statement : Minimal intervension in the management of dental caries)、歯科医師の間でMIという理念が一気に広まりました。





  • MIはそもそも考え方の一つであり、治療方法ではありません。




  • 上の写真のでは、歯質が全体的にう蝕(齲蝕・うしょく)に罹患している歯を部分的に薄く削ってコンポジトレジン充填を行いましたが、この場合全周歯を削ってクラウンで治療を行う場合もあると思います。




  • しかしながら、この症例を今回のようにコンポジットレジンで修復した事を「MI治療」と思われる先生も多数いらっしゃるかと思います。




  • すなわち、なんでもかんでも「コンポジットレジン充填をする事が「MI治療」の観点から素晴らしい!」とおっしゃる先生がいらっしゃるとお聞きした事もありますが、そうではないと私は思います。




  • 「MI」は先程も述べた様に、あくまで考え方の一つであって治療法ではない。




  • 上の写真の症例も、周りの歯の状況などを見るとプラークコントロールが悪く虫歯になりやすい、そこへ吸水性のあるコンポジットレジンを充填しないほうが良いのではないか?




  • いやいや、下顎の2番にファセット(咬耗)があるためブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり・タッピング)をする癖があるのではないか?(この患者様は実際にあります)だからセラミックなどは破切しやすいのではないか?




  • など様々な要因を考えて治療法を変えていかなければならないと思います。


  • 我々歯科医師はとかくすべき治療と、自分がやりたい治療が食い違ってくる場面に出くわしがちです。




  • しかし、全ては患者様のための歯科医療であるためその人その人で治療方法を変化させ、オーダーメイドの治療を行って行くべきであり、またそのため日々努力を重ねる毎日です。


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