再生歯胚から歯が発生する事を開発した後、続いてマウス口腔内において再生歯胚を移植するとどうなるかを辻 孝先生らは続いて研究されました。
マウスの上顎第一大臼歯を抜歯して、その部位を完全に治癒させた後、穴を開けて再生歯胚を移植しました。
世界中の研究者は「生えてくるわけがない」と思ってようですが、37日目、新しい歯が生え、49日目には下顎の向かい合う歯と咬合するまでに成長しました。
さらに、新たな歯が移植した再生歯胚から生えたものかを解析するため、緑色蛍光タンパク質(GFP)を全身で発現している遺伝子組み換えマウスの再生歯胚を通常のマウスに移植したところ、緑色に光る再生歯が生え、期待通りの結果を得ることが出来ました。
また、組織構造や硬さについても、天然歯と同等である事が判明したのに加え、再生歯の歯髄や歯根膜には、天然歯と同様、末梢神経の侵入が認められました。
つまり、再生歯は痛みも感じられる器官であるという事が証明されました。