歯の再生医療の先駆者である、東京理科大学 総合研究機構 教授 辻 孝 先生が取材で話された内容を抜粋致します。
これまで歯の再生医療は30年以上にわたり技術開発が進められてきましたが、2007年に辻先生の研究チームが歯の再生に成功するまでその技術は確立されていませんでした。
その一番の原因は人体が200種類の細胞種が70兆個も集まって完成する三次元の立体的世界だからです。
1Kgの細胞の塊を作るには、100万個のピンポン球を積み上げるような三次元的作業が求められます。
それはいわば神の領域であり、現在の生命科学で出来るのはせいぜい二次元までとされて来ました。
現在二次元レベルでは、皮膚や角膜上皮の「細胞シート」による治療が始まりつつあります。
したがって今後は、立体的な器官や臓器を作り出す三次元技術をいかに確立するかが、大きなテーマになります。