東京理科大学総合研究機構 教授 辻 孝先生らは、マウスの胎児の歯胚から上皮細胞と間葉細胞取り出し、三次元的な細胞操作による歯胚の組み立て方の開発をめざしました。
試行錯誤の末、2007年に開発したのが「器官原基法」です。
これは、歯胚から取り出してバラバラの状態にした上皮細胞と間葉細胞をそれぞれ5万個ずつ用いて、三次元的に組み立てる技術です。
これらの細胞を、生体内と同じ高密度で区画化して三次元的に組み立て、生体物質であるコラーゲンのゲルに包み込む事で細胞同士を結合させるという方法です。
この方法によって作られた再生歯胚が、本当に歯になるかどうかを調べるため、マウスの腎臓の皮膜の下に移植し経過を見守りました。
腎臓に移植する方法は古くから研究で行われており、酸素や栄養の供給が十分に行われるため、厚みがある細胞の塊でも成長させる事ができると考えられています。